このセットは、私たちが甲州から生み出す全てを一つにまとめたものです。スパークリングから白の静止ワイン、そして日々の食卓に寄り添う一本まで、富士山麓・朝霧高原で育まれた「甲州」という一つのぶどう品種が、いかに多彩で、いかに美しい表情を持ちうるかを示しています。6本のボトルを通じて、その表現の全幅をご体験いただけます。
私たちの甲州との歩みは、20年以上にわたります。「美しい風景から美味しいワインは生まれる」という信念のもと、農業を根幹に据え、畑から瓶詰めに至るまで、全てを丁寧に育んできました。このセットに収められた全てのワインは、私たちが自ら育てたぶどうのみを用いた、ヨーロッパの伝統に則った本物のワインです。私たちが何よりも大切にしているのは栽培(ヴィティカルチャー)であり、日本一のぶどうを育て、そのぶどう自身にボトルの中で語らせることを目指しています。
私たちは幸運にも、この道のりを、故ドゥニ・デュブルデュー教授、そして故パトリック・レオン氏 ― 前世紀を代表する最も尊敬されるワインメーカーのお二人 ― とともに歩むことができました。お二人のご指導は、私たちの畑と醸造所の双方を形づくり、甲州の可能性を信じてくださったことが、国際的な最高水準に耐えうる、真に本物の日本ワインを追求する私たちの支えとなりました。
日本のワイン造りが直面してきた課題の一つに、フランス基準に匹敵するアルコール度数のワインを目指す傾向が長く続いてきたことがあります。しかし現在の気候条件や栽培環境のもとでは、発酵前の補糖なしにその水準を達成することは容易ではありません。デュブルデュー教授とともに、私たちはこの問題に別の角度から取り組みました。ぶどうに無理をさせて高いアルコール度数を求めるのではなく、ポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデのように、フレッシュで生き生きとしたワインが9〜11%程度で仕上げられる産地から着想を得て、自然に低アルコールとなるスタイルを開発したのです。これにより、国際的なワインの枠組みの中に収まり、発酵前の補糖に関する規定を尊重しながら、富士山麓の畑がもたらす繊細さと純粋な果実味を存分に表現した、9〜10%の甲州ワインを生み出すことができました。
その歩みの中で一つの節目となったのが、ヨーロッパへの輸出です。私たちは甲州ワインをヨーロッパへ初めて輸出した生産者であり、日本の甲州をヨーロッパの食卓に届ける道のりは、決して平坦なものではありませんでした。デュブルデュー教授のご助力のもと、私たちは輸出用のワインを造り上げただけでなく、国際ぶどう・ぶどう酒機構(OIV)の国際的枠組みの中で甲州が認知されるための扉を開く一助ともなりました。この過程を経て、甲州は国際的な文脈においてヴィティス・ヴィニフェラ種として認められ、世界の古典的なワイン用ぶどう品種の一角に確かな位置を占めることとなりました。
20年以上の経験、時代を代表するお二人のワインメーカーのご指導、甲州ワインのヨーロッパ初輸出、そして世界の舞台で認められた甲州 ― その物語のすべてが、このセットの一本一本に息づいています。ご自宅の食卓で、私たちの甲州の全幅をぜひお楽しみください。
セット内容(6本)
· 2019 Shizen Sparkling(シゼン スパークリング)× 1
· NV Sakuya Domestic(サクヤ ドメスティック)× 2
· 2025 Domaine Shizen(ドメーヌ シゼン)× 1
· NV Fujisan Winery Koshu(富士山ワイナリー 甲州)× 2
